第52回 石川県金沢市しいのき迎賓館 

開催テーマ「和菓子と珈琲」2023 11.11−12

· 開催の様子
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今回の会場は石川県金沢市しいのき緑地というところです。ジャパンコーヒーフェスティバルとしては初めての開催です。

そして、コーヒー文化学会金沢支部のご協力を得て実現しました。

金沢市は和菓子の消費量が日本で最も多く、和菓子屋さんの店舗数も日本で2番目と、「和菓子のまち」と言っても過言ではありません。和菓子は日本が誇る素晴らしい文化です。そうした素晴らしい文化と珈琲でこうしたフェスティバルを開催させていただくことは大変光栄なことと感じています。

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日本の三大和菓子処の一つ、金沢市を舞台に、「和菓子」と「珈琲」の食べ合わせを提案いたします。

和菓子の文化は、茶道の隆盛と共に発展してきたと言われております。

茶道とは、一つ一つの所作を丁寧に行うことで、茶に思いを込めることが一つの醍醐味です。

珈琲においても、熟練した日本の珈琲屋さんが行うハンドドリップは大変美しく、それはまるで珈琲道のようです。ぜひ、その所作や醸し出される空気感にも注目しながら、珈琲の飲み比べをお楽しみください。

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今回の開催テーマは「和菓子と珈琲」

こちらのテーマに基づき金沢にある和菓子屋さん5店舗にお越しいただきました。

・株式会社柴舟小出

・越山甘清堂:AZUKI de HAKKO研究所

・金澤福うさぎ

・有限会社 茶菓工房たろう

・末広堂

それぞれの珈琲屋さんには、テーマとする和菓子を一つ割り振り、その和菓子に合わせた珈琲を創作していただきました。

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サンパチ珈琲焙煎所

テーマとする和菓子「柴舟」

ピリッと生姜の効いたお煎餅で小判型にうっすらと白砂糖の化粧引きが特徴的なお菓子です。

柴舟を活かすように「舟」に対する「川」のような、柴舟を優雅に流す川。

そういったイメージで浅煎りの珈琲をご提供してくださいました。

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fArment Cafe

テーマとする和菓子「柴舟」

インドネシアのスパイシーな風味が柴舟の生姜の風味とよく合い、飲み進めていくと出てくる爽やかな酸味が口の中をリフレッシュしてくれるイメージでコーヒーをご提供してくださいました。

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橘珈琲店

テーマとする和菓子「はなことたろう」

蒸した抹茶カステラにカカオチョコようかんを重ねたしっとり柔らかなチョコレートケーキです。

ライフスタイルの中に溶け込むように苦味・酸味、特に雑味を抑えた飲みやすいバランスのブレンドをご提供してくださいました

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大畠珈琲焙煎場

テーマとする和菓子「福うさぎ(五郎島金時)」

金澤の加賀野菜「五郎島金時」を丁寧に炊き上げ餡とし、山芋入りの生地でつつみ蒸しあげた可愛いうさぎの形の蒸し饅頭です。

ナッツ感のあるブラジルとフルーティーなエチオピア 。この二つで迷い、6:4の比率で合わせたブレンドをご提供してくださいました。

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珈琲サイフオン株式会社

テーマとする和菓子「花のかなざわ(黄味しぐれ)」

ふんわりしっとりの黄味しぐれと五郎島金時芋を練り合わせた白餡が入っている和菓子です。

世界で初めて円すい型ペーパードリップを作り上げた株式会社です。日本の珈琲文化を作り支えてきた世界に誇るコーノ式を代表取締役河野さん。ご本人が抽出しご提供してくださいました。

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かなざわ珈琲

テーマとする和菓子「花のかなざわ(黄味しぐれ)」

世界最大生産国ブラジルのサントスNo.2を使用し独自の抽出理論に基づいて

コーヒーをご提供してくださいました。

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金澤屋珈琲店キャラバンサライ

テーマとする和菓子「花のかなざわ(黄味しぐれ)」

フルーティーなエチオピア 完熟ナチュラルと花のような香りのコロンビアにマンデリンのコクをバランス良くブレンドし香りの良い甘苦さを表現されたコーヒーをご提供してくださいました。

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喫茶水鯨

テーマとする和菓子「花のかなざわ(黄味しぐれ)」

石川県金沢市の老舗喫茶「珈琲館 禁煙室」の内装を引き継ぎ大阪に移築して喫茶を営んでおられます。

「珈琲館 禁煙室」が在った金沢でコーヒーを淹れることが夢だったとパンフレットに綴ってくださったお二人。イベントには禁煙室のママさんもお越しくださいました。

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ダートコーヒー

テーマとする和菓子「発酵ようかんと和のカステラ」

発酵により出来るブドウ糖の自然のあっさりの甘味と旨味を利用し独自の製法により作り上げた小豆の発酵ようかんとしっとり浮島(和のカステラ)」を合わせた和菓子です。

ダブルアナエロビックファーメンテーション(チェリーの状態で48時間、18度の温度下で嫌気性発酵を実地し、脱果肉後96時間、19度の温度下で再度嫌気性発酵)という特殊な製法により出来上がった強い風味のコーヒーをご提供してくださいました。

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日本の珈琲は味わいや楽しみ方など様々な観点からみて非常に多様です。

そして、砂糖やミルクを入れずにこれだけの多様さを表現できているのも日本の最大の特徴です。

世界の珈琲事情を鑑みても、日本の珈琲は最も多様で面白く、そして何より美味しいです。

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珈琲も和菓子も味覚の芸術です。

今回のフェスティバル開催の趣旨は、ここ、金沢という歴史あるまちの中でその双方をじっくりと味わうことです。そして日本の文化の素晴らしさを改めて感じていただける機会となるのではと思います。

日本の文化を最も抽象的に表現すると「関係性」の文化だと私は考えています。

その関係性の文化から生み出された珈琲と和菓子の表現を存分に感じてください。

そして、そうした文化がここ金沢にはいつもある。そんな気がしています。

この度は、ご来場いただき、誠にありがとうございました。

写真・山口加奈